「男性ホルモン注射治療を始めてから頭髪が薄くなってきた気がする。」
「FTMが薄毛になったらどうしたらいい?対処法が知りたい。」
という方の疑問を解決していきます。
一概に男性ホルモンと言っても薄毛に関わる男性ホルモンと
関わらない男性ホルモンがあります。
薄毛になる原因を知ることで対処法が変わってくるので、
原因を知って予防、対処していきましょう!
- 薬剤師歴10数年
- LGBTQブロガー
- 未治療で埋没経験有
- パートナーと結婚式を挙げ
マイホーム購入経験有
FTMの薄毛の原因は大きく分けて3つ!
FTMの薄毛に関わる原因は3つあります。
男性ホルモン
男性ホルモン注射をして治療をしている方はきっと
『男性ホルモンを注射してるから薄毛なんだ…』と思っているはず。
確かに男性ホルモンが原因ですが
男性ホルモンにも種類があります。
- テストステロン
- ジヒドロテストステロン
- デヒドロエピアンドロストロン
- アンドロステロン
- アンドロステンジオン
- エピアンドロステロン
めちゃめちゃ種類ある。
男性ホルモン注射ではテストステロンを体内に取り入れています。
が、薄毛の原因になるのは2番めのジヒドロテストステロンなのです!
このジヒドロテストステロンは男性型脱毛症をAGAの原因の1つと言われています。
ジヒドロテストステロンとはテストステロンから作られるホルモンです。
簡略図(?)
テストステロン⇒ジヒドロテストステロン
ジヒドロテストステロンは男性ホルモンの中で1番効果が高く、ヒゲや胸毛を濃くします。
しかし前頭葉(頭の前部分)や頭頂部(頭のてっぺん)に作用すると
毛の増殖が抑えられてしまうと言われています。
このジヒドロテストステロンが増えることによって
薄毛が進行していきます。
「ジヒドロテストステロン増やしたくない!!」
と誰もが思うでしょう…しかし
長く男性ホルモン注射治療をしていくうちに
ジヒドロテストステロンが作られやすくなってきてしまいます。
長期的に男性ホルモン注射をすることにより
その個人での安定したテストステロン値が体内でできてきます。
このテストステロンが体で安定することによって
変に生理がきたり、更年期障害のような症状が出ることもなく過ごせています。
このまま安定してくれてれば
それでいいのに。
そうはいかないみたい…
なぜジヒドロテストステロンが作られやすくなるのか
実は長期的に同じ量の男性ホルモン注射をしていると
加齢により男性ホルモン注射を打ち始めたときより
テストステロンの働きが体内で弱くなってきます。
つまり「前まではテストステロン100注射したら90効果を得られたのに
ある時から100注射しても50しか効果が得られなくなる」といった感じです。
そうした時、男性ホルモンの中で1番効果が高いジヒドロテストステロンが
『俺が男性機能守ってやるよ!』
と言わんばかりに体内で作られます。
そう、これが薄毛の原因なんです。
このやる気を出したジヒドロテストステロンが
前頭葉(頭の前部分)や頭頂部(頭のてっぺん)に作用してしまい薄毛になります。
体内でのテストステロン効果が変わらなければいいんですけどね。
テストステロン減ってるなら、テストステロン入れる量を増やせばいんじゃない?
と思いがちですがホルモンバランスが崩れやすくなると共に、肝臓への負担も増えるのでおすすめしません。
因みに男性もこの過程で加齢により薄毛になっていきます。
逆に
これ以上薄毛になるのは耐えられないから男性ホルモン注射をやめたい!!
と考えている方
確かにジヒドロテストステロンの元となるテストステロンの補充をやめれば、必然的にジヒドロテストステロンの量は減りますが
自己判断でいきなり中止すると薄毛だけの問題ではなく、更年期様症状やその他、体調不良をおこしやすくなるので必ず医師に相談してください。
女性ホルモン
女性ホルモンにはヘアサイクルの
成長期から退行期・休止期に移行する過程を抑制する働きがあります。
ヘアサイクル
成長初期⇒成長期⇒退行期⇒休止期⇒∞
- 成長初期:毛が成長し始める
- 成長期:毛が伸びる(2〜6年)
- 退行期:毛の成長が止まる(2〜3週間)
- 休止期:毛の成長が完全に止まる(3〜4ヶ月)
健康なヘアサイクルでは
成長期の毛が全体の90%、休止期が10%となります。
この抜けないように頑張る女性ホルモンを減らして、抜けやすくさせるジヒドロテストステロンを増やせば当然薄毛になりますね。
体の中身を男性にするって・・
毛へのダメージ大やないかい。
その他の内臓系の病気
- 甲状腺機能異常症
- 膠原病
- 鉄欠乏性貧血
- 亜鉛欠乏症
などの全身性疾患でも薄毛、抜け毛は増えるので
あまりにも急激に毛髪に変化がある場合は、
ホルモン治療を受けている病院、クリニックに相談しましょう。
対応してくれないようであれば皮膚科、もしくは内科を受診することをおすすめします。
FTMはAGA以外にも慢性休止期脱毛症も視野に
慢性休止期脱毛症は女性特有の脱毛症です。
男性ホルモン治療をしているFTMは体のホルモンバランスは男性になっているので
慢性休止期脱毛症の可能性は低いと思われます。
ですが、額の生え際の後退などは目立たず、全体的に毛が柔らかくなったり、薄いようだったら
慢性休止期脱毛症の可能性もあるので視野にいれておきましょう。
原因は不明で、男性ホルモンとは無関係な薄毛なので
AGAだという自己判断での薄毛治療はおすすめしません。
FTMにAGA治療薬フィナステリドは使えるか
最初に結論を伝えると医師の判断になります。
フィナステリドの効果は簡単にいうと
テストステロンから薄毛の原因となるジヒドロテストステロンを作らなくする効果があります。
ジヒドロテストステロンは薄毛の原因になるとともに、1番強い男性ホルモン効果を持ちます。
なのでこのジヒドロテストステロンができなくなることによって
求めている男性化効果が減ってしまったり、ホルモンバランスが崩れてしまう可能性があります。
髭とか髭とか髭に憧れたりするじゃない?
ジヒドロテストステロンが減ると髭も薄くなっちゃう可能性が大きいのねん…
加えて、フィナステリドは肝臓で処理される薬になります。
男性ホルモン注射も肝臓で処理されるので肝臓への負担が大きくなることが考えられます。
海外ではFTMにフィナステリドを用いて、AGA治療を行い効果があったというデータがあるようです。
しかし、人種差があるためそのまま日本人に適合するかと言われると、そうではない部分が大きいです。
FTMにAGA治療薬デュタステリドは使えるか
こちらもフィナステリド同様医師の判断になります。
デュタステリドはフィナステリドより効果が高いということで、フィナステリドから遅れて発売された薬になります。
ですがほぼフィナステリドと同じ経緯をたどってジヒドロテストステロンを作らなくする効果を持つ薬なので
結果自己判断では使わないほうがいい薬になります。
FTMにミノキシジル外用は使えるか
結論使えます。
ミノキシジルはホルモン系統関係なく毛細血管の血流を良くすることで毛根を刺激し、髪の毛を生えやすくする発毛効果があります。
育毛と発毛の違い
育毛:髪を育てて抜け毛を防ぐ
発毛:髪を生やして脱毛を防ぐ
ミノキシジルは発毛の効果が期待できます。
内服薬もありますが、血管を広げて血流を良くするため、血圧が下がりすぎてしまう場合があります。
日本国内においては臨床試験が行われていないため、内服薬はAGA治療薬としては推奨されていません。
FTMが薄毛に悩んだらどこに相談すればいい?
ずばり男性ホルモン治療をしているクリニックや病院です。
AGA治療薬は男性ホルモン注射をしているFTMにとっては相反する薬となります。
FTMの治療に詳しくない医師はAGA治療をして男性化効果が減少した場合のことを懸念するため
相談すらうけてくれないクリニックもあります。
だからと言って隠して受診するとホルモンバランスの乱れや、肝臓に負担などがかかることが考えられるため、リスクしかおこさないのでやめましょう。
FTMの薄毛は結局何が使えるの?
ミノキシジルの外用薬です。
ホルモンうんぬんより、毛根に直接アピールして細胞の増殖やタンパク質を増やして発毛しましょうってことですね。
本来であればフィナステリドやデュタステリドでジヒドロテストステロンをブロックしつつの、ミノキシジル外用で発毛!が効果が出やすいと言われていますが
内服薬に制限がかかっているFTMにはミノキシジルの外用が1番安心して使用できる薬になります。
ミノキシジルの外用薬はどこで買える?
ミノキシジルが配合されている薬は市販薬でも第一類医薬品に該当され、薬剤師がいないと販売できない薬です。
ですがネットで購入することで必要な情報をネット上でやり取りすることで、対面せず購入することができます。
ミノキシジル配合の外用薬は何があるの?
色々ですぎてるので有名どころを紹介していきます
リアップX5プラスネオ
有効成分ミノキシジルを5%配合しており、その他にも
- ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)
- トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE)
- l-メントール
- ジフェンヒドラミン塩酸塩(抗炎症、かゆみ止め成分)
- グリチルレチン酸(抗炎症、かゆみどめ成分)
- ヒノキチオール(抗菌、殺菌成分)
などを配合。
ビタミンB6は頭皮の新陳代謝を促進して健康的な髪をつくる効果があります。
ビタミンEは血管を拡張させ、血流を良くすることで細胞に刺激を与えて髪の毛を生えやすくさせる効果があります。
その他4種は抗菌したり、炎症を抑えたりと皮膚トラブルに対応しています。
AGAの症状の中でも頭皮が脂っぽかったり、脂性のフケが出ている方は、リアップX5プラスネオをおすすめします。
4ヶ月使用後から有効性が認められているため、副作用がなければ最低4ヶ月の使用で判断することになります。
1日2回の使用で値段の方は1本が1ヶ月分で7,753円(税込)です。
最低4ヶ月分使うとして出費は・・・
31,012円・・
高いと思うか、安いと思うかはあなた次第・・←
スカルプDメディカルミノキ5
こちらも有効成分はミノキシジル5%を配合しています。その他の有効成分は入っていません。
特徴としては酸化防腐剤やその他有効成分が色々はいっていないため頭皮には優しい製剤になっています。
発毛剤は長く使っていくものなのでより頭皮に優しいものを選択する場合はスカルプDメディカルミノキ5をおすすめします。
公式HPにも記載がありますが、こちらも4ヶ月使用後から有効性が認められているため、副作用がなければ最低4ヶ月の使用で判断することになります。
1日2回の使用で値段の方は1本が1ヶ月分で7,800円(税込)です。
最低4ヶ月分使うとして出費は・・・
31,200円・・
高いと思うか、安いと思うかはあなた次第・・←Part2
ミノキシジルの効果はどのくらいででるの?
せっかく始めたはいいけど終わりが見えなかったらやる気でないですよね。
ミノキシジルは一体どのくらいで効果を得られるか!
調べたところ
早ければ3ヶ月遅くても4〜6ヶ月の間に効果を実感する方が多いようです。
個人差はあるので必ずこの期間までに!
というのではないので参考程度にとらえてください。
そしてこのミノキシジルの落とし穴が当たり前ですが
使用をやめると効果がなくなる
点です。
なので続ける場合、経済的にな負担が大きくなります。
薄毛対策は何ができるの?
薄毛になる前に手を打ちたい!という方におすすめの薄毛対策を紹介していきます。
主に頭皮ケアになりますが、日頃からできるものになるので試してみてください。
正しい髪の洗い方と乾かし方を!
洗浄力の強いシャンプーでゴシゴシ洗うと気持ちはいいんですけど頭皮にはかなりダメージを与えてることが多いです。
薄毛が気になっていたら
シャンプーはアミノ酸系シャンプーを使って優しく洗いましょう。
すすぐ時は約3分ほどぬるま湯でシャンプーが残らないようにきちんとすすぎましょう。
ドライヤーで乾かす時は髪の毛から10cmほど離して使用し、根元から乾かすことを心がけてください。
因みに自然乾燥は言語道断です。
濡れてる時間が長いと菌が繁殖しやすく、抜け毛の原因+菌が原因の他の病気にもなりやすいですよっ!!
自然乾燥だけは本当にやめてくださいっ!←
きちんと睡眠時間確保を!
頭皮は寝てる間に活発に働き、ダメージ修復をしたり、新しい皮膚に生まれ変わったりします。
特に寝てからの3時間は活発のピークと言われています。なのできちんと睡眠をとりましょう!
睡眠時間3時間でいいんだ〜。とか思った人!
違うよ!違うよ!
睡眠中の明け方に頭皮のバリア機能を維持してくれるホルモンもでるからしっかり寝なきゃだめなのよ!!
結論オール、夜ふかしは頭皮に悪い。
です。
食生活!大事だよ!!
ビタミンB2とB6が特に頭皮の健康に関わってくるのと、偏った食事でタンパク質を取らなかったりすると髪の毛が細くなってしまうことがあるので注意が必要です。
また、脂質やカロリーが高い外食ばかり食べていると頭皮の脂が多くなるため、頭皮環境が悪化することもあります。
おすすめ食材
- 肉系(特に豚レバー ビタミンBが豊富)
- 卵(1日1個ただし60度以上の熱を与えると栄養素が壊れるため生がおすすめ)
- 納豆(血液サラサラ)
- 乳製品(ビタミン・ミネラル豊富)
- 牡蠣(亜鉛が髪を丈夫にしてくれる)
- ナッツ類(ビタミンEが豊富)
- ココア(抗酸化作用のポリフェノールを含むため抜け毛防止が期待される)
- 緑茶(カテキンにも抗酸化作用!)
- 珈琲(血流がよくなる)
積極的に摂取していこ〜!
(でも何事も摂り過ぎはよくないからね。)
まとめ
と、いうことで薄毛の話を色々してきました。
頭皮ケアは超絶大事です。特に男性ホルモン補充後は頭皮の脂も活発に作られてしまうので脂性のフケもでやすくなります。
この時に頭皮ケアをサボると血流が悪くなって抜け毛の原因にもなります。
AGAの原因の1つには血流不良もあるので、現段階ではジヒドロテストステロンは自分でどうにもできませんが血流不良は改善できるものなので血流不良だけは改善しておきまっしょう!!
以上
FTMの薄毛はAGA?男性ホルモンが原因?薄毛治療薬の解説とおすすめ発毛剤
でしたヽ(´ー`)ノ