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ども、あー。です
今回は不可解なお題。
それはホルモン治療開始していたら
性適合手術が保険適用外になるという事実。
2018年に性適合手術が保険適用になったにも関わらず
『ホルモン注射を開始している人は保険適用外』
とのこと。
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意味わからん。
となっている方必読。
この先の記事で
このカラクリを紐解いていきます。
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保険の話は薬剤師に
おまかせあれ。
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- 薬剤師歴10数年
- LGBTQブロガー
- 未治療で埋没経験有
- パートナーと結婚式を挙げ
マイホーム購入経験有
保険適用と保険適用外の違い
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一言でいうと
【保険適用】医療費を国が負担してくれる
【保険適用外】医療費を国が負担してくれない
です。
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何基準ー!
薬に関しては・・・
基準は国が認可した薬が保険適用となります。
安全性やら、効果やら、それなりのデータが集まっていないと
我が国日本では
保険適用
にはなりません。
治療に関しては・・・
保険適用外というと
- 入院時食事代
- 入院したことによってかかる雑費、日曜代
- 保険適用外の治療費や手術費
- 高度先進医療費
- 業務上の病気、怪我(労災保険で扱う)
- 美容整形手術
- 予防注射
- 健康診断、人間ドック
- その他医者が治療を必要と認めないもの
- 日常生活や疲労によりおこる肩こり、腰痛等の整骨院
- 針・きゅう・マッサージ等の施術
etc・・・という感じで大体
『予防・美容・生活水準up』➡保険適用外
『治療』➡保険適用
のような感じですね。
逆を言うと治療目的であり、医師が認めれば
整形外科に
風邪です・・・
でかかっても保険適用ですし。
眼科に
足が痛くて・・・
でかかっても(診てくれるかは不明)
保険適用です。
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なんか腑に落ちないような
落ちるような・・・感じ
ホルモン注射治療は『治療』と言えど自由診療
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今度はまた別の話?
別のようで同じ話。
自由診療
・美容整形・歯列矯正のように、診療の目的が傷病、治癒でない場合
・国内で未許可の医薬品を使用する場合
・保険適用外の医薬品を使った場合
・医療費は全て自費(全額自己負担)
現時点(2020.12)でのホルモン注射はいずれも国の認可が降りておらず
保険適用外
の薬となっています。
なので
・国内で未許可の医薬品を使用する場合
に該当してしまい『自由診療』の範囲になります。
そしたら
ホルモン注射代は払うから
適合手術代は保険で・・
ってなるじゃないですか。
それが出来ないんですよ。
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この国はいじわるなのか?
その理由が次の項目
同一疾患で自由診療と保険診療ができない理由
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自由診療と保険診療を併用することを混合診療といいます。
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また新しい名前・・。
つまり
ホルモン注射(保険適用外で自由診療)+性適合手術(保険適用)=混合診療
ということになります。
混合診療は現在の医療保険制度では
原則認められていません。
なので
同一疾患で自由診療(自己負担)をして
他の治療で保険診療
ができず、保険診療分も自己負担になってしまうのです。
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な・ん・で!
現在日本では平等に医療を受ける機会を保証した
国民皆保険
に加入が義務付けられてるので
その主旨に反することになってしまうわけです。
例えば
同じ病気で同じ治療をする人がいて
そのうちの1人が
もっと金払うから
他の人より良い治療してよ
と言うとします。
そうすると他の患者よりお金を払ってくれる患者が誕生し、
この患者は保険適用+自費でお金を払うことになります。
つまり自費分を多く払えれば払えるだけより良い医療を受けられるという
謎のお金持ち有利ルールが発生してしまうのです。
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それは嫌・・・。
というルールが敷かれている事で
自由診療と保険診療の混合診療は
現在、我が国では認められてないという結果に。
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個人的な意見ですが
きっといっぱいお金を払ってくれる
患者が優先の世界になって
医療保険制度も崩壊しそう。
性適合手術を保険適応内で行う方法
それは
性適合手術を先に行い終了してからホルモン治療を開始する
という非現実的な回答。
GID治療の指針では適合手術をする前に
ホルモン療法を実施するのが基本。
ホルモン剤を投与しいて望む性に近い状況にし、
心身に問題ないかどうか観察するところからスタートするとのこと・・
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いやいや、
ガイドラインと医療制度が
噛み合ってないよ。
苦肉の作ですが治療上ホルモンバランスを考えて
ホルモン剤投与前にできそうな適合手術は
FTMでいうと、
ホルモンのバランスに子宮ほど関与はしていない
乳房切除を先に行うことですかね。
女性ホルモンの話はこちらに詳しく記載してます
![](https://meganepa-man.com/wp-content/uploads/2020/11/158edf868997d8a9f4856e4d9ae5b20c-300x167.png)
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げんにこの制度施行後の一例目は
FTMの乳房切除手術だったようです。
そして
この性適合手術の保険適用制度が出来てから
どのくらいの実績が?
と思いリサーチしたところ
2019年4月のデータ(施行から1年)
保険適用が認められる認定病院で実施された手術は約40件
そのうち保険適用になったのはわずか5件
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約1割。
1件は先に記述したFTMの乳房切除手術
そして他はいずれのケースも
男性➡女性への手術で
『高齢者でホルモン治療の必要がないなど例外的なケース』
とのこと。
例外的なケースじゃなきゃ保険適用にならないなんて
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なんかおかしい。
って私だけではなく、もちろん医療業界もざわついているわけです。
保険適用で性適合手術を行える病院
![](https://meganepa-man.com/wp-content/uploads/2020/12/hospital-908436_640.png)
![](https://meganepa-man.com/wp-content/uploads/2020/12/hospital-908436_640.png)
性適合手術の保険適用は
決まった病院でしか適用されないのです。
その病院リストがこちら
・岡山県:岡山大学病院、光生病院
・北海道:札幌医科大学病院
・山梨県:山梨大学病院
の4院のみです。
これはGID治療に対して手掛けた手術の件数などで認定がおりているとのこと。
特に岡山大学教授はGID学会の理事長でもあり
今後も保険適用化の緩和を目指しているようです。
まとめ
2018年から性適合手術が保険適用になったといえども
ほとんど普及しておらず、
国が『GID(性同一性障害)』の治療に対して前向きじゃない事が
ひしひしと伝わる制度ですが
この保険適用ですら2018年前まではなかったものなので
それに携わる現場でのいろんな方々の
努力、訴えが叶いはじめている
第一歩としても捉えられますよね!
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この先の未来にも
光あれぇえ!
以上
【FTM】ホルモン治療開始後の適合手術は保険適用外扱いなぜ?
でしたヽ(´ー`)ノ