今回は性別変更後の話。
以前、最初にホルモン治療を開始したら
性適合手術は保険適用にならず自費になってしまう
という記事を記載しました。
この記事にもある通り
『性同一性障害』という病名で
ホルモン治療する場合は適応外処方になるため
治療は自費になります。
今回は『性別』を戸籍上変更した後
ホルモン治療が保険適用になるのか、ならないのか調べてみました。
- 薬剤師歴10数年
- LGBTQブロガー
- 未治療で埋没経験有
- パートナーと結婚式を挙げ
マイホーム購入経験有
【GID治療】性別変更後のホルモン治療は保険適用か適用外か
結論。
保険適用になります。
ただし
FTMであれば
『男子性腺機能不全』
という病名を医師に付けてもらわなければ
保険適用にはなりません。
男性として男性の機能が落ちているという
病名をつけてもらえれば保険適用になります。
なぜ『男子性腺機能不全』の病名が保険適用になるか・・ですが。
男性ホルモン注射の
エナルモンデポー・テスチノンデポーの
「この病気なら保険使っていいよ」
という病名がこちら
- 男子性腺機能不全
- 造精機能障害による男子不妊症
- 再生不良性貧血
- 骨髄線維症
- 腎性貧血
この中の「男子性腺機能不全」という病名が
つくことによって保険を使ってホルモン治療ができるというわけです。。
ただし
その病名をつけて保険適用になるか、ならないかは
通院している病院やクリニックの判断⇒審査支払機関の判断の2段階になるようです。
ここで言う支払基金というのは保険証の話で
社会保険に入っていれば社会保険の審査支払機関。
国保に入っていれば国保の審査支払機関です。
そしてこれがまた明確な基準はなく
個別の判断とのこと。
うーん。個別。ね、、
詳しい男性ホルモン注射の話はこちらに記載しています。
性別変更後のホルモン治療は保険適用にするためにできること
1番は先述した通り
病名をつけてくれるかどうかは
その病院やクリニックによるため
可能であれば受診前やホルモン治療の前に今後性転換したあと病名を変えれるかどうか確認することです。
医師が病名を付けてくれない事には
支払基金への判断までたどり着けません。
性転換後の対応は病院やクリニックのHPのQ&Aなどに
載っていることもあるのでHPを確認してみましょう。
次に気をつけたいのが
ホルモン注射の種類です。
現在日本で投与されている男性ホルモン注射は
- エナルモンデポー
- テスチノンデポー
- ネビド
の3種類ですが
このうちのネビドだけ国が承認していない薬になります。
どういうことかというと・・
この薬は国として認めてないものなので
日本での適応症がない=保険適用になる病名がないのです。
なので現在の日本では
ネビドの注射では性転換後も保険適用になることはありません。
性転換後にホルモン治療を保険適用にしたいのであれば
ネビドは避けたい注射と言えるでしょう。。。
性別変更後のホルモン治療が保険適用になることのメリット
んもうなんといっても
お金でしょう。
単純に全額負担(自費)が保険が3割だったら3割。
2割だったら2割になります。
仮に1万円かかっていたとしたら単純に計算すると3千円の負担になります。
そして自費の診療だと個々のクリニックの提示額になりますが
保険となると病院やクリニックの規模にもよりますが
ほとんど差異がないほど一律で、同じ治療を受けていて
金額が大幅に違うということがなくなります。
以前調査したときに
エナルモンデポー250mgの自費での相場金額が
2,000円〜4,000円と幅がありましたが
そのまま保険割合で計算すると
3割の場合
600円〜1,200円
2割の場合
400円〜800円
とだいぶお安い。(当たり前)
普通良心的でない限り
自費の診療は保険適用で診察するより
高めで設定されている(ところが多い気がする←)ので
保険適用になれば2重で安くなりそうですね。
ちなみにネビドとその他のエナルモンデポー
との料金比較などの図をよく見ますが
保険適用されることを考えたら断然
エナルモンデポー、テスチノンデポーの方が安いです。
(ネビドの自費での相場金額が30,000円/回=3割負担最大金額でエナルモンデポー25回分)
ネビドは投与回数が12週に1回なので重宝されてる・・
といえども保険が絡むと金額差がエグいですね。
交通費を何万もかけて受診してたり、お金に余裕があるけど時間がない方はまた違った考え方になりますが。。
【GID治療】性別変更後のホルモン治療は保険適用?適用外?まとめ
FTMやMTFさんにとって
ほぼ一生摂取しなければならない
ホルモン治療。
少し金額が高くても早く本来の自分の姿になりたい!
から始まることの方が多い気がしますが
長い目で見てより
心身共に負担がない選択ができればいいですよね。
1番は国が性同一性障害に対する治療を
全面的に保険適応にしてくれればいいんですけどね!!!
・・・んまぁそうすると判断を誤ったりだとか
少子化が云々カンヌンとか言い出しそうなので
あれですけど←
治療をスタートするにあたって
病院やクリニックの選択が重要になりますが
今回の
性別変更後に適応症としてホルモン治療をしてくれるかどうかも
結構重要になってくるのではないでしょうか。
また動きがあれば随時更新していきたいと思います!
以上
【GID治療】性別変更後のホルモン治療は保険適用?適用外?
でしたっヽ(´ー`)ノ